京都府立医科大学大学院医学研究科、京都府健康福祉部の研究グループの研究では2019年の全国の国民生活基礎調査票と国民健康栄養調査票の突合データのうち、成人4957人分のデータが使用されました。活動制限と自覚的な健康状態を主要評価項目とし、健康寿命のAI指標(HCAL)を副次評価項目としました。
国民生活基礎調査票の「あなたは現在、健康上の問題で日常生活に何か影響がありますか」という質問に対し、「はい」と答えた場合を「活動制限あり」、「いいえ」と答えた場合を「活動制限なし」としました。
「あなたは現在の健康状態はいかがですか」という質問に対して、「よい・まあよい・ふつう」と答えた場合を「自覚的に健康」、「あまりよくない・よくない」と答えた場合を「自覚的に不健康」としました。
1日歩数と健康寿命のAI指標との関係について、成人全体と65歳以上の方で調べたところ、年齢に関わらず1日歩数が増加するに従い、AI指標は増加し、やがてフラットになることがわかりました。また、性別による違いは見られませんでした。
次に、閾値推定の不確かさを最小化するためにブートストラップ法でデータを1000倍に増幅し、多変量ロジスティック回帰モデルで解析を行いました。先行研究でわかっていた健康寿命の要因である年齢、性別、40種の傷病、1日歩数を説明変数としました。
1日歩数が増加すると、活動制限の調整オッズは減少し、やがてフラットになりました。さらに隣り合う歩数間で調整オッズ比は、年齢に関わらず9000歩/日に達するまで95%信頼区間の上限が1.0未満で統計的に有意でした。
また、1日歩数が増加すると、自覚的な不健康状態の調整オッズは減少し、やがてフラットになりました。調整オッズ比は年齢に関わらず1万1000歩/日に達するまで統計的に有意な値を示しました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕