奇跡の軌跡12 名前が出ない物書きへの第六歩

書籍などの出版物であれば、著者や執筆者の名前が表示されているのは当然のことで、誰が書いたものかがわからないような出版物は信頼度が低くなります。新聞記事でも、最近は書いた人が示されることが多くなってきました。

ネット情報も同じで、責任を持って書いてくれれば信用できるものを探しやすくなるのですが、誰が書いたのかわからないだけでなく、簡単に発信できることから元ネタが何なのか、どこから引っ張ってきた(盗んできた?)のかわからないということが往々にしてあります。

もっとわかりにくいのはテレビ番組で、放送された情報は出どころや発言者がわかっていても、全体の構成を誰がやったのか、誰の主張で番組が作られているのかは知ることができません。

発言者のコメントが本人の言葉(意見、主張)なのかもわかりにくく、実際には誰かわからない人が書いた台本を、そのまま読んでいる(記憶して普通に話していても)というのは、よくあることです。

いわばテレビ番組のゴーストライターが存在しているわけですが、それを私も手がけてきました。本業というわけではなくて、本業としているテレビ作家の邪魔をしないように、健康や食品といった限られた情報だけ、全国キー局の番組担当者の依頼を受けて行ってきました。2002年から2017年(東京を離れた年)でした。

台本があるのは全体進行だけでなく、専門家としてコメントする方々が話すことも台本が求められることがありました。ただ、書くだけでなく、これまでに何を発言してきたかを調べて、あまり違和感がない表現をするのも重要で、これは書籍のゴーストライターをしているときに身につけたテクニックです。

テレビ局の制作側からの依頼だけでなく、健康や食品に関わる業界からの依頼によって書いたこともあり、売り込みの手助けのような作業です。制作現場が納得して受け入れてくれるレベルにしなければならないわけですが、初めから番組の担当者が台本を作らないこともありました。

随分と怠け者になったという感想もあったのですが、そういったテレビ業界のおかげで、全国放送された番組の中身を手掛けるという経験もさせてもらいました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕