サプリメントは、元々の英語では補助、補完、補充といった意味があり、通常の食事では不足する栄養素を補充するものと認識されています。的確な製品を選び、的確な摂取をするためには、何が不足しているのかを知ることから始める必要があります。
しかし、実際には食事内容を的確に知ることなく、何が足りないのかを知らないままにサプリメントを摂取している人が多くいます。中には、食事で充分な栄養素が摂れているのに、それ以上の量をサプリメントによって摂り入れている人も少なくありません。
例えば、ビタミンでは水溶性ビタミンは過剰に摂取したものは排出されますが、脂溶性ビタミンは体内に保持されて、過剰症を引き起こすことにもなります。脂溶性ビタミンは脂肪に溶ける形で蓄積されるために、体脂肪が多い人が過剰に摂取すると過剰に蓄積されるために過剰症のリスクが高まります。
ミネラルは過剰に摂取しても、その多くは腎臓で排出されて、血液中の量は一定に保持されるので、よほどの過剰摂取を短期間にしなければ問題はないとされています。しかし、腎臓の機能が低下した場合には、腎臓での濾過がうまくいかず、過剰症が起こります。
ミネラルの過剰症としては、ナトリウム、マグネシウム、リン、セレンなどがあげられます。
体調不良を改善するために摂取したサプリメントのビタミン、ミネラルによって体調不良が悪化する、これまでと異なる体調不良が起こるといったことがあるのも、錠剤やカプセルなどの形状で一気に多くの量を摂ることが可能なサプリメントならではのことです。
サプリメントの成分は、単独では健康面に問題は起こらなくても、複数の成分が重なることによって健康被害が起こることもあります。また、サプリメントと医薬品の成分による相互作用によって健康被害が起こることもあるので、医薬品を使用している場合には、それとバッティングする成分について熟知しておくことが重要になります。
それだけに、サプリメントは個人の状態を知り、サプリメントと医薬品の内容を知って、個人対応するためのデザインとアドバイスが必要になってくるのです。
〔健康ジャーナリスト/日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕