男性と女性の行動や性格的な違いは、男女の脳の働きの違いが関係していると言われます。男性と女性で脳の構造が違っているわけではなくて、構造自体は同じになっているのですが、調整力が異なっています。これが男性脳と女性脳の大きな違いとして認識されています。
左脳と右脳がバランスをとって機能することができるのは、左脳と右脳をつなぐ脳梁があるからです。脳梁は交連線維の太い束のブリッジで、2億から3億5000万本もある神経繊維が張り巡らされていて、左脳と右脳の大脳皮質の間で情報をやり取りしています。
脳梁は男女差が大きく、女性のほうが男性よりも20%ほど太くなっています。性同一性障害で身体的には男性であっても女性的な脳という人の脳の画像で見ると、脳梁が男性よりも大きく、女性よりも小さいという中間的な状態であること確認されています。
女性は左脳と右脳の間の情報伝達が多く、バランスよく使うことができるために切り替えがうまく、ストレス緩和にも優れていることが指摘されています。男性は左脳と右脳の情報伝達が遅く、左脳に負荷がかかりすぎることがあります。これがストレスに弱いことの証拠の一つと考えられています。
脳の情報処理量には限界があって、一定以上の負荷がかかると、負担がかかった状態が続きやすくなっています。考えることをやめたり、身体を休めても負荷によって高まった興奮状態が低下するまで時間がかかります。その時間が女性は男性よりも短く、女性は切り替えしやすいことが知られています。
女性は同時に複数のことができるのに対して、男性は一つのことに集中すると他のことに気が回らなくなるということがあり、このことも脳梁の太さと情報伝達の違いとして説明されています。
男性と女性では、脳の使われる部分にも違いがみられます。男性は話をしているときには左脳の前後の2か所が使われていますが、これに対して女性は左脳も右脳も戦後の4か所が同時に動いています。そのために、女性は複数の人の話を同時に聞くことができるのに、男性は違う声が聞こえると混乱して集中できなくなることがあります。
男性は会話の中で一つの話に集中して結論を求めがちですが、女性は結論よりもプロセスを重視して、変化する話題にも対応することができる上に、察知する能力も高くなっています。
これが「偽る脳力」の男女の違いにも大きな影響を与えているのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕