健康づくりのための食事を考えるときに、「食品成分表」が使われることが多くなっています。これは正式には日本食品標準成分表といって、それぞれの食品の100g中に、どれだけの栄養素が含まれているかが掲載されています。
ここで示された栄養素の成分量は、代表的な産地の食品の平均値です。一定の期間の平均値ではなくて、季節を通じての平均値であるので、それだけの成分が実際に含まれているのかを保証するものではありません。
これだけでもわかりにくいのですが、もっとわかりにくいのは、重量(g)は重量計で測定することはできても、その中に含まれるエネルギー量(kcal)は測定することができません。重量から食品成分表を使い、計算して求めることになります。
これを足し算して、1日に、どれくらいの摂取エネルギー量になるのかが計算されます。食事制限ではエネルギー量の減少が求められるので、エネルギー量に合わせた分量がわかればよいことになります。
エネルギー源は糖質、脂質、たんぱく質だけで、理想的な摂取バランスは厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」に示されています。これに合わせて、それぞれを食品として分量で示されていたら、わかりやすいのですが、エネルギー量から分量を知ることができる食品成分表は一般的ではありません。
(存在しないわけではないものの、書店やネットでも見つけるのは困難です。)
同じエネルギー源であっても、太りにくい食品を選ぶというようにできればよいわけですが、100kcal単位の分量がわかれば、重量が多いものを選ぶと、食べる量を減らすことなく摂取エネルギー量を抑えることができるようになります。
食事制限は食べる量を減らすこと、ではなくて、食品の選び方であることがわかれば、食事制限は苦しいものではなく、続けやすいことがわかります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕