身体年齢測定2 体組成計で体内年齢がわかるのか

テーマとして掲げている“身体年齢”は、体内年齢と間違われることがあります。名称は似ているのですが、中身は大きく異なっています。体内年齢は体組成計によって測定されるもので、体組成と基礎代謝量の年齢変化から、どの年齢に近いのかを表しているものです。

体組成は身体を構成する成分の組成のことで、体脂肪、骨、筋肉(除脂肪軟組織)に分類されています。基礎代謝量は生命維持のために使われるエネルギー量を示したもので、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」の基礎代謝基準値に基づいて計算された数値です。

体脂肪、骨、筋肉は、それぞれ水分量が異なることから電気抵抗が違っています。体組成計は微弱な電流を流して、分量を測定しています。脂肪は水分がほとんどないので電流は通りにくくなっています。骨の水分量は約10%です。筋肉の水分量は多い(約72%)ので電流が通りやすいという特徴を活かしています。

筋肉が基礎代謝量のうち平均すると22%を占めていて、年齢が若いほど筋肉量が多く、基礎代謝量も高くなっています。その特徴を活かして筋肉量を測定することで、基礎代謝量を知ることができます。基礎代謝は年齢につれて低下していくので、筋肉量を測定することで年齢を推定しているわけです。男性と女性では筋肉の割合が違うので、性別によっても基礎代謝量が異なります。

筋肉の量は個人差が大きく、筋肉量だけで体内年齢を確定させるわけにはいきません。そこで現在では体組成計では測定できない筋力(筋肉の強さ)、バランス能力を測定する方法が数多くの人の測定値から構築されています。その方法によって測定されるのが“身体年齢”です。

身体年齢と実年齢との差を知ることで、どのような対応(運動の種類と量、食事量など)をすればよいのかがわかるようになり、無理のない健康づくりの指導ができるようになっています。

問題がある生活を改善する手法は“行動変容”と呼ばれます。言葉では簡単に言い表せたとしても、実際に行動を変えるのは大変なことです。行動変容については、この連続コラムの中で効果的な方法(無理なく無駄なく続けられる手法)を取り上げていきますが、そのためには食事と運動が身体年齢に影響することを知ることが重要になります。

そのために実施しているのが身体年齢測定と食生活チェック表です。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕