判断に迷ったときには、何を頼りにしてよいのか、それすら迷うことがあります。
絶大なリーダーが存在していて、その考えと行動に従えば解決するのは簡単だ、という発想があります。それは絶大なリーダーが常に正しい判断をするということが大前提であり、もしも正しい判断でなかったとしても、それを否定できるような立場でないとしたら、本心であろうと嫌々であろうと“神の声”に従うのが、そのときの正しい判断ということができます。
そのような意識をすることなく、付き従うのが正しい判断であるとするなら、判断に迷うこともないことになり、思い悩むこともないはずです。
しかし、多くの人が人生の岐路に立ったときに、何かに頼ろうとします。それだけ自信がなく、自分の意思で決定したとしても、後々に悔いることがないような明るい未来を思い描くことができないという漠然とした不安感が漂っているからです。
このような悩みを解決する手段として、脳科学が説明に使われることがあります。
脳科学の世界では、右脳が支配する無意識が、左脳が支配する意識をコントロールしていることから、無意識に従うのが大きな脳を持った人間の宿命だという考え方もされています。
無意識に従うというのは自らの内なる声に従うということであるのか、それとも“神の声”に従うことなのか、その区分けをつけることも難しいところがあるのですが、巨大な脳にたとえられるネット社会では、ありとあらゆる選択肢が示されています。
その中から自分で選び、自分で行動を起こしているように感じていても、そうではないことが多々あります。ネット検索で目にするものが素材だけであれば、より多くの素材から自分に適したものを選択して、オリジナルのものを組み立て、オリジナルの考えを推し進めていくことも可能でしょう。
しかし、ネット検索の情報は、誰かの意見を、誰かが意図を持って選択して掲載していることが多いのも事実です。自分で選び、自分で考え、それをベースに発信しているつもりであっても、実は誰かの意図を拡散しているだけということも少なくありません。
また、的確なアドバイスをしてくれると評判の人も、実は周囲の声に突き動かされて、その声を発信しているだけだったということも経験しました。
こういったことに対して的確な判断をするためには、人を見抜く目をつけるための経験も必要になるのでしょうが、さらに的確に判断するためのインプット(勉強)も継続させていかなければならないと考えています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕