運動ガイド1 健康づくりにおける身体活動・運動の意義

厚生労働省は「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」を公表しました。その中から前文の「健康づくりにおける身体活動・運動の意義」を紹介します。

〔健康づくりにおける身体活動・運動の意義〕
「身体活動」とは、安静にしている状態よりも多くのエネルギーを消費する、骨格筋の収縮を伴うすべての活動を指し、「運動」とは、身体活動のうち、スポーツやフィットネスなどの健康・体力の維持・増進を目的として、計画的・定期的に実施されるものを指す。

身体活動・運動の量が多い者は、少ない者と比較して循環器病、2型糖尿病、がん、ロコモティブシンドローム、うつ病、認知症等の発症・罹患リスクが低いことが報告されている。

令和2年に世界保健機関(WHO)が公表した身体活動・座位行動のガイドラインでは、身体活動を実施することによって、循環器病、2型糖尿病、がんが予防され、うつや不安の症状が軽減されるとともに、思考力、学習力、総合的な幸福感を高められるとされている。

また、身体活動により、妊婦及び産後の女性、慢性疾患や障害のある人を含むすべての人が健康増進効果を得られるとされており、身体活動・運動は全ての国民が取り組むべき重要課題であるとされている。

WHOは全世界における死亡に対する危険因子として、高血圧、喫煙、高血糖に次いで、身体活動・運動の不足を第4位に位置付けている。

我が国では、身体活動・運動の不足は、喫煙、高血圧に次いで、非感染性疾患による死亡に対する3番目の危険因子であることが示唆されている。

こうしたことから、身体活動・運動の意義と重要性が広く国民に認知・実践されることは、超高齢社会を迎える我が国の健康寿命の延伸に有意義であると考えられる。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕