ブドウ糖が胃から小腸に早く運ばれると吸収も早くなり、血糖値が大きく上昇しますが、粘性のある食物繊維が胃の中にあるとブドウ糖が小腸に運ばれるまでに時間がかかり、血糖値の上昇が抑えられます。また、粘性のある食物繊維はブドウ糖の一部を吸着して吸収されなくなることによっても血糖値の上昇が抑制されます。その代表的なものは難消化性デキストリンです。
小腸からブドウ糖が吸収されるときには、腸壁にある酵素が作用しますが、その酵素に結びつくことでブドウ糖の吸収が抑制されます。その代表的なものはギムネマ・シルベスタです。
◎難消化性デキストリン
加熱処理したトウモロコシ、ジャガイモのデンプンを酵素処理した難消化性の高分子の特定保健用食品の成分です。ブドウ糖の吸収を緩やかにして血糖値の上昇を抑えるとともに、腸内細菌の善玉菌を増やす作用、LDLコレステロール値低下などの働きがあります。また、脂肪を胆汁酸が包んだ胆汁酸ミセルを安定させて脂肪が放出されるのを抑える作用があります。
◎ギムネマ・シスベスタ
インド南部や熱帯アフリカなどに自生するガガイモ科のツル性植物です。葉に含まれるギムネマ酸には舌の甘味を感じにくくさせる作用があります。舌の甘味を感じる受容体に結合して、甘味の感覚を麻痺させます。甘いものへの欲求が減るとともに、ギムネマ酸は小腸でブドウ糖を吸収する受容体と結合することで余分なブドウ糖が吸収されなくなり、体外に排泄されます。受容体との結合は徐々に解除されていきます。このことによって、血糖値の急上昇が抑えられ、インスリンの分泌が抑えられることで脂肪の蓄積も抑えることができます。
ギムネマ酸には甘味を感じにくくさせる作用があるため、食事の前に摂ると、おいしく食べられなくなるので、一般には食後に摂ることがすすめられます。しかし、おいしいものを多く食べすぎる人は、ある程度の量を食べてから摂るか、食事の前に摂ることがすすめられることもあります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕