私が代表を務める日本メディカルダイエット支援機構は、2008年に内閣府から認証を受けた特定非営利活動法人(NPO法人)です。認証のための申請をしたときに、名称について質問がありました。当時は今のように名称の審査は簡単ではなく、活動の内容と名称の一致についても認証の条件の一つとされていました。
メディカルダイエットのメディカルの部分への質問があり、医師が役員にいないのにメディカルを名乗ってよいのかということを聞かれました。メディカルは「医学の〜」という意味であって、医学の研究に基づいたダイエットという意味であることを説明しました。
内閣府には厚生労働省からの出向もあり、当時は旧知の方が、たまたま特定非営利活動法人を所管する部署の審議官であったことから相談をして、条件付きでメディカルダイエットを使用することが認められました。
そのときには「医学の研究に基づいたダイエット」という説明をしたものの、私たちが名づけたダイエットは、一般にイメージされるダイエットではありません。そのことを話すと、また疑問を抱かれるのではないかという思いもあって、ここで偽る脳力の一部を発揮しました。
ダイエット(Diet)の元々の意味は「方針、戦略、戦術、作戦」で、正しい方針に基づいた戦略や戦術はダイエットと呼ばれます。国会の英語表記は「the Diet」です。国会の前にある信号の日本語表記は「国会前」ですが、「The National Diet」と併記されています。国会議事堂前駅の英語表記は「National Diet building」です。
国会は国の方針を決め、それに合わせた戦略として法律を定めるという働きをしている機関なので、ダイエット(Diet)が相応しい名称となります。
元々の意味から転じて、正しい方針に基づいた生活をすることがダイエットとなり、正しい食事療法、正しい運動療法がダイエットとなりました。
医療機関で食事療法を担当する栄養士の英語表記は「Dietitian」です。病気の治療や予防に特化した専門家を意味しています。本来なら運動療法を担当する専門家も同じ表記でもよさそうですが、「Dietitian」は今のところ食事療法や臨床栄養の世界で使われています。
もう一つの“メディカル”は「医学の〜」と訳されていることから、医療関係の専門用語と一般には認識されています。メディカルの語源を辿っていくと「med」は癒すという意味があります。健康を意味する「health」は「heal」の癒すが始まりで、その語源の「hal」はwholeと同義で、「全体、調和」を意味しています。
ダイエットは健康を維持・増進することが最大の目的であって、やせすぎているなど必要な人にとっては太ることもダイエットなのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕