そこが知りたい15 平均寿命と健康寿命その1

日本人は世界一の長生きというのは平均寿命を指していて、これは実際に何歳まで生きられたかということ、つまり死亡年齢の統計ではありません。平均寿命は、その年に誕生した0歳児が何歳まで生きられるかという推定値(希望値)であるということは前回(そこが知りたい14)紹介しました。

平均寿命は、その年に生まれた子どもが現在の社会環境、経済環境の中で何歳まで生きることができるかを示したもので、0歳児の平均余命となります。厚生労働省が発表しているのも平均余命のデータです。

理想的な長生きは「健康長寿」であって、長生きをしたとしても病気や介護状態で何年も過ごすのは“幸せな長生き”とは言えません。医療や介護に頼りきりにならないで自由に動くことができる状態は「健康寿命」とされています。定義としては「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と説明されています。

本来なら健康寿命と平均寿命の差は短いほどよいわけで、その差が短いほど健康度が高く、幸せな晩年を過ごしている状態となります。実際はどうなのかということを全国平均で見てみると男性は9年ほど、女性は12年ほどの差があります。2023年の平均寿命は男性が81.05歳なので約72歳、女性が87.09歳なので約75歳ということになり、思ったよりも長くはないことがわかります。

平均寿命が長い地域は、健康によい環境が整っているとされることから、健康寿命も長く、平均寿命と健康寿命の差も短いということも期待されます。

そこで平均寿命が長く、全国に注目される勢いを見せている岡山県の女性を例にして、次回は平均寿命と健康寿命の差について考察していくことにします。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕