健康リテラシー30 身体の仕組みに合った無理のない行動

日本人は豊かな自然環境の中で優れた特性を発揮することができるようになったものの、日本人の食生活は欧米化が大きく進み、長年の歴史によって作り出されてきた体質とは異なる食事内容によって、利点が難点になる結果となっています。

これまでの研究によって健康の向上効果が科学的に確かめられていたとしても、短期間では期待するだけの成果が得られないのは当然のことで、一定の量や時間の継続が好結果につながります。

どんなに優れた方法であったとしても、自分に合っていない、続かないということでは、優れた方法とは言えなくなります。無理なく無駄なく続けることができない理由として、メンタル面があげられることはあるものの、強い精神力があり、絶対に続けていくという意志があったとしても、続かないことがあります。

その大きな理由として、そもそも身体の仕組みに合っていない、無理をしなければ効果が出ない方法だったということがあげられます。無理をしなくてよい方法であっても、効率が悪い方法だったことだと途中で挫けることもあります。

誘惑に負けたわけではなくて、初めから誘惑に負けやすい、失敗しやすい無駄な方法ということもあります。科学的に正しくても、その意味がわかり、何をすればよい結果が得られるのかがわからないままにスタートするのでは、ルールがないゲームに挑戦しているようなことにもなりかねません。

身体の仕組みは、長年の歴史によって、それぞれの人の環境や生活によって変化してきた結果であり、多くの人にとって快適になるように遺伝によって変化してきたことです。その中で、どんな人にも共通しているのは、太陽の光に合わせた生活リズムです。

人間の生命活動を調整している自律神経の働きは、日の出と日の入りによって基本的なところが調整されています。消化・吸収・循環・排泄という生命維持に大きく影響する身体調整も自律神経の交感神経と副交感神経によってコントロールされています。

このリズムと合わない生活をすると、自律神経の調整が乱れて、神経伝達もホルモン分泌も生理活性物質も影響を受けることになります。それだけに、自律神経の働きに合致していないことを続けると、生命活動と調和させることができなくなり、これが無理をして、無駄なこともしないといけない状態になっていくのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕