健康思想1 何を選んで実践すべきか

“健康思想”というのは、ありふれているようであっても、あまり目にする機会がない言葉です。東洋医学では、西洋医学とは異なる独特の考えに基づいて実施していることを示すために「東洋医学の健康思想」といった形で使われることがあります。

東洋医学以外は、健康思想がないということではなくて、ここでテーマとした“健康思想”は、東洋医学に限らず、西洋医学も他の伝統医学も含めています。

さらには医学だけでなく、健康づくりに役立つことは、すべてのものを含めていて、食べること、身体を動かすこと(生活活動や運動)、身体を休めることも健康づくりの大切な要素となっています。「食事、運動、休養」は厚生労働省も以前から提案してきた健康づくりの基本の三要素です。

食事によって栄養素を摂取して、これを運動によって消費して、身体を動かすととともに休めるようにするということで、睡眠、入浴、腸内環境の改善も健康づくりの重要な要素になります。それらのことを、どこまで実施すれば健康が維持できるのか、増進させることができるのかという議論も生まれます。

医学の世界では、身体のメカニズムを明らかにして、それに影響をすることを病気や外敵として避けることが最重要とされます。それは必要なことではあっても、すべてのリスクを避ければ、それで健康が確保されるということではありません。

このように表現するのは、「少しくらい身体によくないことをしたほうが、かえって健康にはよい」ということではありません。

それぞれの人にとって、何が必要であるのかを知り、数多くある対処法(健康法)の中から正しいことを見抜き、自分に合った方法、継続できる方法を選択して実践することが重要であるとの考え方をしています。

これが“健康思想”の根幹であって、自分に相応しい健康法を選択してデザインしていくという思考が重要になります。

誰かが考え、誰かが定めた“正しい方法”を素直に(疑いなく)受け入れるのではなくて、自分の身体の反応を確認しながら取り入れ、実践していくことです。“健康思想”を思想で終わらせるのではなく、結果として手に入れるためのポイントであるとの認識をしています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕