健康思想2 健康思想家という生き方

今回の表題には「生き方」とありますが、思想という用語には似合わないという声があるのは承知しています。思想家と並んで使われることが多い哲学者という言葉を説明するときには「人生の生き方」がよく使われます。

「人間は何のために生きるのか」ということは哲学者と呼ばれる方々が繰り返し発してきた言葉で、生き方を考え、提言するのが哲学の範疇です。何が正しいのかを明らかにして、その通りに実践するのが最良の方法という考えがあります。

哲学者によっては正しいことであるからと「AはBである」と押し付けをする人がいる一方で、「自分の哲学であって他人に押し付けるようなものではない」という考え方の人もいます。AはBであるという断定された規範の中で生活をして、行動するのは、宗教的ではないかとの感覚もあります。

それに対して、思想家には「人生の考え方」という言葉を当てはめています。同じ行動をしていても考え方によって、苦しく感じることがなくなり(減弱して)、自分にとっての心地よさが違ってくることは、多くの人が体感していることかと思います。

もちろん、やったことに対する物理的な結果は同じということもあるのですが、その結果を、どのように受け止めるか、結果が出るまでの過程をどのように考えるのかによって、充足度が大きく違ってきます。

哲学者が「である」を掲げるのに対して、思想家は「べき」を掲げるという分け方もあります。「である」は正しい生き方を示すものに対して、「べき」は決めつけではなく、選択肢を示すだけで、それを採用するかどうかは本人次第です。その本人次第を認めて、正しいことであっても続かないことは押し付けないようにするのも思想家の立場です。

その考え方からすると、健康について複数の選択肢を用意して、選べるようにする、本人にとってよいことが長続きするようにするサポーターとしての「健康思想家」が存在してもよいとの認識であり、それを目指す助言者(メンター:mentor)を自分と重ねることがあってもよいとの考え方をしています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕