Supplement Design16 腎機能の低下で有効成分が危険になる

ミネラルは一定以上の摂取が必要で、不足すると代謝や免疫などに大きく影響することにもなります。ミネラルには過剰症もあって、サプリメントで多くを摂り過ぎることによって症状が起こるとされています。

しかし、腎機能が正常であれば、余分なミネラルは腎臓が濾過をして、必要な分だけを再吸収して、余分なものは排出されてバランスが取られるようになっています。

ところが腎機能が低下すると血液中に多く残ることになり、過剰症が起こるようになるのですが、その原因は腎臓病だけではありません。糖尿病の合併症による腎症は、糖尿病の増加につれて増えています。

マグネシウムは細胞を正常に機能させるための重要な補酵素であり、全身に3000種類ほどあるとされる酵素のうち約300種類の補酵素となっています。

マグネシウムが増えすぎて高マグネシウム血症になっても軽度では症状はみられないものの、血清マグネシウム値が5mg/dlを超えると嘔吐や筋脱力、傾眠、徐脈、低血圧などがみられ、12mg/dl以上になると意識混濁、意識消失、呼吸筋麻痺が起こり、最悪は心臓が停止することもあります。

カリウムは、ナトリウムを排出して血圧を安定させることが知られています。
高カリウム血症になると、悪心や嘔吐などの胃腸症状、しびれ感、知覚過敏、脱力感などの筋肉・神経症状、不整脈などが起こるようになります。そして、血清カリウム値が7〜8mEq/lを超えると心臓の機能に異常が出ることにもなります。

このような危険性は医師や薬剤師は当たり前のように知っていることではあっても、腎機能の低下とサプリメントによる過剰摂取が重なったときのリスクについては知られていないこともあります。

健康食品のことは、その専門家であるアドバイザリースタッフに聞くことがあるかと思いますが、案外と気づいていないことがあるのが事実です。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕