人間は民族差があっても、原人から変化したことには違いはありません。猿から猿人になり、そこから約190万年前に原人(ホモ・エレクトス)に進化しました。
かつては原人はピテカントロプス・エレクトスと呼ばれていましたが、これは二足猿人を意味にしていて、人間の祖先ということで今はホモ・エレクトスが一般に使われています。
猿人から原人に進化したときに、大きく変わったのは体内で合成される栄養素が極端に少なくなり、生命維持のためには数多くの食品を食べなければならなくなったことです。今でも人間と猿は体内でビタミンCを合成することができないのですが、それ以外のビタミンは猿の場合には合成することができます。
人間がビタミンを合成できないのは、合成のために必要な酵素が欠けているからで、ほとんどの高等生物は酵素があることから、摂取しなければならない食品が限られています。
ビタミンを合成できない人間が“万物の霊長”となることができたのは、食物連鎖のトップに位置して、何でも食べることができるようになったからです。
何でも食べることができるといっても、それぞれの環境によって収穫できる食物には違いがあり、その食べ物から効率よく栄養摂取するために変化をしてきました。北方のヨーロッパ(イギリス、ドイツ、フランスなど)では、農産物が少ないことから獣肉をエネルギー源にする機会が多く、肉類を消化、吸収しやすい体質に変化してきました。
そして、獣肉に多く含まれる脂肪を効率よく取り入れ、これをエネルギー化させることができる身体へと進化していきました。
これに対して、日本は穀類も野菜類も魚類も多く収穫がされ、四季があることで豊富な食料が手に入る環境であることから、さまざまな食品を食べる文明が花開きました。日本人の身体的な特徴は自然環境が生み出したものであり、その自然環境によって育まれた食品の生命をいただくことで世界に誇る長寿国となることができたと言うことができます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕