血糖値(血液中のブドウ糖の値)の急上昇を抑える健康食品があると、これさえ摂れば糖尿病の心配はない、食事制限をしなくて済むと考える人は少なくありません。
健康食品は医薬品とは異なるので、血糖値の上昇に関わる作用があることが確認されている素材が使われていたとしても、また実際に使って好結果が現れた人がいたとしても、自分も同じような結果が得られるとは限りません。
有効性が確認されていて、他の人に効果があったのに、自分には効果がないということが起こるのは、血糖値が上昇する原因に人によって異なり、それに作用する成分も異なっていることが多いからです。
血液検査をして糖尿病であることがわかったときには、初めに使われる医薬品は糖質がブドウ糖に分解されるのを阻害するものです。糖尿病の診断には血液中のブドウ糖の量が確認されるので、糖質をブドウ糖に分解する消化酵素のα‐グルコシダーゼの働きを阻害する医薬品が使われます。
それと同じ作用がある健康食品・サプリメントとして、グァバ葉ポリフェノール、桑の葉のDNJ、コタラヒム、サラシア、白インゲン豆、豆豉エキスなどが使われます。
ブドウ糖が小腸からブドウ糖が吸収されるときには腸壁にある酵素が作用しますが、その酵素に結びつくことでブドウ糖の吸収を抑制するものとしてはギムネマ・シルベスタがあります。
血液中のブドウ糖が増えると、膵臓から血糖値を降下させるホルモンのインスリンが分泌されて、全身の細胞にブドウ糖が取り込まれます。それを促進してブドウ糖の代謝を促進させるものとして、酸可溶性糖タンパクのCAFが含まれるカイアポイモ、インスリンと同じような働きがあるコロソール酸が含まれるバナバなどがあげられます。
細胞に取り込まれたブドウ糖がエネルギー代謝されるのを促進するものとしてはα‐リポ酸、ヤーコン、クエン酸、ビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂があります。
ブドウ糖の一部は肝臓でグリコーゲンに合成されて肝臓と筋肉に蓄積されていきますが、これが進むと血糖値が下がりやすくなります。その作用があるヒドロキシクエン酸は含まれているのはガルシニアです。
これらを的確に使うためには、なぜ血糖値が上昇しているのかの理由を知り、それに適した素材が含まれている健康食品を摂ることが大切になります。単純に血糖値を下げるということを表示して、どのようなタイプであっても効果があるように印象づける広告などは注意して見る必要があるということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕