偽る脳力93 足を踏んだ人は痛みがわからない

被害を与えられた人にとっては、とんでもないことをされたと感じていても、被害を与えた人は何も困ったことが起こってはいないので何も感じないということがあります。

このことは「足を踏んだ人は痛みがわからない」という表現をされますが、「足を踏まれた人の痛みは踏まれた人にしかわからない」と言い換えられることもあります。

これは時間泥棒をされた場合も同じことで、時間を泥棒された人の辛さ、苦しみは盗んだ人にはわかりません。わかってほしいと訴えても暖簾に腕押しで、そもそも時間を泥棒したとも気づいていない人が多いのが実情です。

その苦しみを第三者を介して伝えたとしても、お金を失ったわけではないので平気ではないか、お金の話であれば同じ金額で賠償すればよいのではないか、要した時間だけ相手にも時間をかけさせるから問題はないではないと言われたこともあります。

しかし、他人の時間を償うのは容易ではありません。自分が失った時間と同じ時間をかけてもらえば、同じ成果が得られるというものではありません。私がかけた時間は経験と実績があるから短時間でできたことで、同じ時間をかけてもらっても半分にも満たないことがあるからです。

自分の能力と、かかる時間で判断してはいけないということですが、他人の時間を蔑ろにする人ほど、他人の時間を大事に思わない傾向があります。

「お互い様だから」と言い、自分が足を踏まれることもあるだろうから、そんなに目くじらを立てることではないと言われることもあります。しかし、それは時間の重要さが、それぞれの人で異なっていて、その時間が生み出したことの価値がわからない人が口にすることです。

私の場合は時間泥棒をされたといっても、時間をかけたことに対して報酬がもらえなかった、期待した金額に達しなかった(雲泥の差、月とスッポンくらいの開き)ということくらいです。

貴重な時間を盗んだ人は、足を踏んだ側であって、踏まれた痛みを感じろと迫っても、理解することはできないことだと諦めるようにしています。

そもそも、そのような反応をする人と付き合ったことが間違いであったということですが、そのことを記憶から消さないように「ONをOFFで返す」というギャグを講演などで使うようにしています。もちろん、これは「恩を仇で返す」のもじりです、
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕