Supplement Design17 鉄と下痢の関係性

サプリメントは不足する栄養成分を補うことを目的としているものですが、摂取量が多くなりすぎることによって過剰症が起こることがあります。そのため、許容上限量を超えないようにする必要があります。

しかし、過剰症とは別に身体不調を起こすことがあります。その中でも目立って多いのが下痢や軟便です。

鉄は、エネルギー代謝の酵素の構成成分となるミネラルで、赤血球の色素成分であるヘモグロビンの成分として酸素の運搬、細胞への酸素の取り込み、老廃物の炭酸ガスとの取り替えの機能があります。また、赤血球の生成とともに鉄欠乏性貧血の予防、免疫細胞の成長などの作用があります。

肉類に多く含まれるヘム鉄は、野菜などに含まれる非ヘム鉄に比べると体内への吸収率は3倍以上となっています。非ヘム鉄はビタミンCによって吸収が高められます。

ヘム鉄は腸に作用して下痢や軟便を起こすことがあります。また、非ヘム鉄は胃に作用して胃痛などを起こすことがあります。その理由としては、鉄が酸化することによって活性酸素が発生するためだと考えられています。ヘム鉄は胃では酸化せずに腸で酸化することが関係していると説明されています。

鉄は赤血球の中に含まれていることから、運動をして血流が盛んになることによって破壊されやすく、そのために起こるのがスポーツ貧血です。

女性アスリートは貧血を起こしやすく、サプリメントとして鉄を摂ることがすすめられるものの、下痢や軟便が起こる場合には、鉄が含まれる食品を多めに摂って、鉄の摂取は控えめにするようにします。

鉄が多く含まれる食品は肉類(レバー、赤身肉)、赤身魚、貝類、カボチャ種子などです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕