セカンドステージ17 講習のタイミング1

健康づくりを支援するためのガイドラインは、これまでにも厚生労働省によって複数のものが提供されてきました。

2024年になって改訂版や新規のガイドラインが発表されました。

「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」

また、「日本人の食事摂取基準」が5年ごとに発表されていて、現在の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」は2025年3月末まで使用されます。2025年版は2024年末には発表される予定です。

これによって、健康づくりに必要なガイドラインなどが出揃うことになります。これらは指導をする人のためのものであって、これを読み解き、個人の状態に適した情報として発信して、それぞれの人の健康づくりに活かしていく必要があります。

今回は「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」の概要を紹介します。

身体活動・運動分野のガイドラインについては、平成元年に「健康づくりのための運動所要量」が策定されたのが始まりで、次いで平成5年度に「健康づくりのための運動指針」が、平成18年に「健康づくりのための運動基準2006」及び「健康づくりのための運動指針2006(エクササイズガイド2006)」が策定されました。

平成25年には、「21世紀における第二次国民健康づくり運動(健康日本21(第二次))」の開始に伴い、「健康づくりのための身体活動基準2013」と「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)」が策定され、これらの基準を活用して、「健康日本21(第二次)」における身体活動・運動分野の取組が進められてきました。

「身体活動基準2013」の策定から10年が経過し、身体活動・運動に関する新たな科学的知見が蓄積されてきました。

その一方で、「健康日本21(第二次)最終評価」において、身体活動・運動分野の指標である「日常生活における歩数」、「運動習慣者の割合」のいずれについても、横ばいから減少傾向でした。

その考えられる要因としては、機械化・自動化の進展や移動手段の発達等、生活環境の変化による労働場面、家庭場面、移動場面における歩行機会の減少や、運動を実施するための啓発、環境整備に向けた働きかけが不十分であったことがあげられました。

こうした状況を踏まえて、身体活動・運動分野の取組をさらに推進するため、最新の科学的知見に基づき、「健康づくりのための身体活動基準2013」を見直し、「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」が策定されました。
〔セカンドステージ連盟 小林正人〕