体内の96.7%は4元素(酸素、炭素、水素、窒素)で構成されていて、三大エネルギー源の糖質、脂質、たんぱく質も4元素で構成されています。
このほかはミネラルが大部分を占めています。ミネラルは必須ミネラルと有害ミネラルに大きく分けられます。必須ミネラルは身体機能の維持・調節に欠かせない栄養成分ですが、多く摂りすぎることによって身体機能に悪影響を与えることがあります。そのため、最大摂取量が定められています。
体内汚染の原因とされているのは有害ミネラルで、有害金属とも呼ばれ、身体機能への有用性は認められていません。
*カドミウム(Cd:cadmium)
化学物質の中に含まれ、石油や石炭の燃焼によって土壌や大気中に排出されています。タバコにも含まれ、喫煙者・受動喫煙者の体内から多く検出され、喫煙者からは非喫煙者の2倍以上の検出が報告されています。また、内分泌攪乱作用がある環境ホルモンとしても指摘されています。過剰に摂取すると、腎臓障害や貧血、骨粗鬆症、骨軟化症のリスクが高まります。
*水銀(Hg:hydrargyrum)
水銀は有機水銀と無機水銀の2種類があります。水銀による環境汚染を引き起こしたのは有機水銀(メチル水銀)で、魚介類に多く含まれることから日本人は摂取過剰のリスクが高くなっています。また、歯科治療の詰め物であるアマルガムに含まれる金属水銀による汚染も指摘されています。過剰に摂取すると、中枢神経系障害、消化機能障害、腎臓障害のリスクが高まります。
*鉛(Pb:plumbum)
鉛水道管や有鉛ガソリンの排気ガス、ハンダ、タバコ、塗料、アクセサリーなどによる中毒によって、全身の酵素の働きが妨げられ、造血機能が阻害されます。子どもの脳の発達に影響を及ぼす可能性が高くなっています。過剰に摂取すると、貧血、神経障害、腎臓障害、動脈硬化、子どもの脳発達遅延のリスクが高まります。
*ヒ素(As:arsenic)
ヒ素(砒素)は有機ヒ素と無機ヒ素の2種類があります。無機ヒ素は皮膚や肺に発がん性があり、残留農薬や排気ガス、魚介類などに含まれます。海藻に多く含まれる有機ヒ素は問題ないものの、無機ヒ素も一部含まれるので過剰摂取には注意が必要です。過剰に摂取すると、皮膚がん、皮膚角化症、色素沈着のリスクが高まります。
*ベリリウム(Be:beryllium)
低濃度でも長期間に暴露すると健康被害が生じる恐れがあり、有害大気汚染物質に指定されています。大気汚染物質のほか電子機器にも含まれ、DNA複製阻害、肺がんを引き起こす可能性があります。過剰に摂取すると、呼吸器障害、皮膚障害のリスクが高まります。
*アルミニウム(Al:aluminum)
軽量で加工しやすいために広く使われている金属で、アルミ缶、アルミホイル、アルミ鍋、食品包装を通じて体内に入りやすくなっています。タバコ、殺虫剤などにも含まれます。体内に入ったアルミニウムは約99%が排出されますが、約1%は脳内に残るとされます。過剰に摂取すると、腎臓障害、透析脳症、骨軟化症のリスクが高まります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕