デトックス9 キレート作用

有害ミネラルを排出するには、有害ミネラルを包み込むように結合するキレート作用がある成分を摂ることも有効となります。

キレート(chelate)はカニのハサミを意味し、キレート結合された有害ミネラルは蓄積された部位から取り出され、体内で再吸収されることなく体外に排出されます。

*α‐リポ酸
以前は医薬品の成分でしたが、食薬区分の変更(2004年)によって食品としての使用が認められ、サプリメントにも使われるようになりました。サプリメントとしては糖代謝を促進するエネルギー代謝を促進するために使用されることが多くなっていますが、キレート作用が認められ、有害ミネラルを排出する目的で広く使われるようになりました。
α‐リポ酸は硫黄を含む化合物で、水溶性と脂溶性の性質をともに備えているため、身体のいたるところに浸透し、細胞の内側から機能することができます。抗酸化作用はビタミンCやビタミンEの約400倍にも及び、有害ミネラルを除去したあとに活性酸素を消去することが期待されます。

*L‐メチオニン、L‐シスチン
L‐メチオニンとL‐シスチンは硫黄を含むアミノ酸で、有害ミネラルと結合して排出させると同時に、活性酸素を消去する作用があります。L‐メチオニンは必須アミノ酸の一つで、生理活性物質の生成や代謝に関わっています。抗うつ作用や血液中のコレステロールを低下させる作用も認められています。L‐シスチンは肌に効果があるアミノ酸で、メラニンの生成を抑え、シミやソバカスの原因の予防効果も知られています。

*ケルセチン
野菜や果物の皮に含まれるポリフェノールで、玉ねぎの皮には特に多く含まれます。キレート作用と同時に、抗酸化作用、脂肪吸収抑制、脂肪排出促進、アレルギー抑制などの働きがあります。活性酸素の除去によって関節の炎症を抑え、痛みを軽減させる働きもあります。

*MSM(メチルスルフォニルメタン)
有機化された硫黄成分で、炎症、関節障害、腰痛、筋肉痛の改善効果が認められています。細胞壁を軟らかくすることで栄養成分が細胞内に入りやすくなり、老廃物が細胞から排出されやすくなります。キレート作用は弱いものの、他のキレート作用がある成分と一緒に摂ることで、相乗効果が発揮されます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕