Supplement Design19 相互作用がある代謝促進成分

サプリメントの成分には閾値があって、一定の量を摂取しなければ効果が発揮されないという限界点があります。その閾値に達していない成分を、複数無味合わせても期待するだけの効果を得ることはできません。

では、閾値を超えた多くの量を摂れば効果が得られるのかというと、サプリメントの成分は多く摂れば効果が高まるというものではありません。多く摂ることによって健康被害が起こることもあります。

ビタミンやミネラルなら問題がないと思われがちですが、その多くは上限値が定められていて、それ以上の量を摂取すると、どのような健康被害が起こるのかが明らかにされています。

また、サプリメントの成分には相互作用の問題もあり、単独では健康被害が起こらない成分であっても、複数が重なると健康被害が起こる場合があります。これについてはアメリカでは研究が盛んに行われていて、データベースとして確立されています。

健康被害や相互作用が起こりにくい成分として、代謝促進成分があげられます。これは体内のエネルギー代謝を促進させるために使われる成分で、絶対に必要であることから体内で合成されています。

体内で合成されている成分なら、サプリメントで多くの量を摂取しても大丈夫と思われがちです。多くの量を摂っても余分な分は分解されると考えられているものの、三大代謝促進成分のうちのα−リポ酸とコエンザイムQ10は一時的に多く摂取することで健康被害や相互作用が起こる可能性があります。

これに対して、もう一つのL–カルニチンは健康被害もなく、相互作用もありません。
α−リポ酸はミトコンドリアのTCA回路の手前で生化学反応を起こすために必要で、コエンザイムQ10はTCA回路のエネルギー産生の最終段階で必要な成分です。

L–カルニチンが安全だというのは作用機序(体内での働き)の段階が違っているからですが、これについては次回に紹介します。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕