睡眠ガイド22 高齢者が取り組むべきこと2

厚生労働省から、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」が発表されました。

以下に、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」の高齢者版の「取り組むべきこと」の各項目の後半を紹介します。

〔睡眠休養感の確保について〕
◎昼寝
*夜間の良眠を妨げてしまう原因になりうるため、日中の長時間の昼寝は避けるようにしましょう。目覚ましをかける、同居者に起こしてもらうなどの工夫が有効です。

◎日中の活動と昼夜のメリハリ
*必要な睡眠時間を確保しつつ、昼夜のメリハリを増進するために、日中の活動時間を増やし、必要以上に寝床で過ごさないようにすることが、健康を保持・増進するために重要です。

*昼間の眠気や疲労感は、昼夜のメリハリの低下に伴って出現しやすくなります。そのため、高齢世代は日中にできるだけ長く太陽の光を浴びること、習慣的に運動を行うことがお勧めです。

社会や他者とのつながり(地域活動、対人関係)や信頼関係によって睡眠や身体活動などが促進されます。地域などで開催されているラジオ体操やヨガなどのイベントを活用して運動習慣を助けることも良質な睡眠の確保に役立ちます。

〔睡眠休養感が高まらない場合の対応〕
上述の対策を講じても、なお睡眠休養感が高まらない場合、その他の睡眠環境や生活習慣等に原因がある場合があります。覚醒作用を有する嗜好品の摂取(カフェイン、ニコチン)、適度の飲酒や睡眠薬代わりの寝酒は、入眠困難や中途覚醒を引き起こし、睡眠休養感を低下させます。

また、塩分の過剰摂取も夜間頻尿を生じ、中途覚醒を増加させうるため、食塩の多い食生活にも注意が必要です。さらに、加齢に伴い、さまざまな睡眠障害の発症率が上昇することから、睡眠休養感が高まらない原因として、何らかの睡眠障害が生じている可能性もあります。

特に50歳代より徐々に不眠症、閉塞性睡眠時無呼吸、むずむず脚症候群、周期性四肢運動障害などの睡眠障害が出現しやすくなります。

上述のような対策で睡眠休養感の低下が改善しない場合は、睡眠障害が潜んでいないか医師に相談しましょう。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕