粉物を食べると太る仕組み

粉物は太りやすい料理とされています。麺類はツルツルと食べやすく、お好み焼き、たこ焼きなどは特有の味付けもあって、これも食が進みやすい料理となっています。食が進むから太りやすいだけでなく、粉物は血糖値を上昇させやすいことも指摘されています。同じ米であっても、玄米は食物繊維が多く、外側が糠に包まれているので消化液が届きにくく、でんぷんに分解されるのにも、ブドウ糖にまで分解されるのにも時間がかかります。それに対して白米は分解されやすく、さらに米を粉にしたビーフン(米粉)は分解がもっと早くなっています。
米だけでなく、小麦を材料にした小麦粉が使われた麺類、パン類などは分解が早く、それだけブドウ糖に分解されるのが早くなります。ブドウ糖に分解されるのが早いと、それだけ早く吸収されて血糖値の上昇速度も早く、そして上昇率も高くなります。
血糖値が上昇すると、そのピークの高さに合わせて膵臓からインスリンが分泌されます。早くブドウ糖が吸収されるほど、多く吸収されるほどインスリンの分泌量が増えます。インスリンは細胞にエネルギー源のブドウ糖を取り込む働きと同時に、肝臓で合成される脂肪を増やし、脂肪細胞に蓄積される脂肪の量を増やす働きもします。ということで、粉物は太りやすいわけです。
そういうこともあって、白米は太りやすいので玄米のほうがよいと言われても、玄米は噛みごたえがあって、消化が悪く、そもそも美味しくないので食べにくくなっています。そこで最近ではロウカット玄米も登場していて、玄米であるのに白米と同じ食感で食べられるというので評判になっています。また、亜糊粉層という白米と玄米の間の薄い層を残した金芽米も消化の時間を延ばして太りにくい米であるのに美味しいということで人気になっています。
これだと白米を食べると太る、粉物を食べると太るということになって敬遠されがちですが、問題となるのは食物繊維の量が少ないことで、食物繊維が多く含まれるおかずを一緒に食べると、消化に時間がかかって血糖値の上昇が抑えられることになります。
では、太りたい人は粉物を多く食べればよいのかというと、それでは血糖値が上昇しすぎて糖尿病の不安があるという人の場合には、あまりすすめられないことになります。粉物を食べても血糖値が上昇しすぎないようにするには、水溶性食物繊維を摂ることが有効になります。海藻、キノコなどに多く含まれる水溶性食物繊維は消化には大きくは影響しないという特徴がありますが、胃の中で水分を吸うとネバネバ状態になり、ブドウ糖がゆっくりと腸に運ばれることから血糖値が上昇しても時間がかかり、急上昇を抑えられるようになります。