厚生労働省は「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」を公表しました。その中のこども版の推奨事項の「科学的根拠」の後半を紹介します。
〔海外における科学的根拠〕
◉身体活動
「身体活動と健康に関係はありますか?」
身体活動は、体力(全身持久力、筋力)、心血管代謝機能(血圧、脂質代謝、血糖値、インスリン抵抗性)、骨の健康、メンタルヘルスを向上させるとともに肥満を改善するなどの効果があります。
特に、中高強度の身体活動量の増加は、全身持久力・筋力の向上、心血管代謝機能及び骨の健康と関連します。また、中高強度の身体活動は、認知機能やメンタルヘルスの向上に効果があります。さらに、身体活動は、健康的な体重管理に効果があります。
「身体活動と健康の関係は、身体活動の種類や場面によって異なりますか?」
中高強度の有酸素性身体活動は全身持久力を向上させ、ジャンプなどの筋肉への負担が比較的大きい動きを伴う活動は筋力を高めることが示されています。具体的には、これまでのガイドラインでは、筋肉や骨を強化する活動を週3日以上実施することが推奨されています。
◉座位行動
「座位行動と健康に関係はありますか?」
座りすぎは肥満症の増加や体力低下、社会的な行動への不適応、また睡眠時間の減少と関連しています。
具体的には、長時間の座位行動は、体力・全身持久力の低さと関係していること、また長時間のスクリーンタイム(テレビ視聴やビデオゲーム利用等)は好ましくないメンタルヘルス、社会的な行動の指標と関連していること、スクリーンタイムに費やす時間が長いことは、睡眠時間に悪影響を及ぼすことなどが報告されています。
「座位行動と健康の関係は、座位行動の種類や場面によって異なりますか?」
座位行動として、テレビ視聴などのスクリーンタイムが扱われることが多いのが現状です。座位行動の健康アウトカムへの影響に関するエビデンスとしては、一般的に総座位時間よりもスクリーンタイムの方が関係が強いことが示されています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕