運動ガイド11 こども版:現状・取り組むべきことは何か

厚生労働省は「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」を公表しました。その中のこども版の推奨事項の「現状」「取り組むべきことは何か」を紹介します。

〔現状〕
令和4年度全国体力・運動能力・運動習慣等調査では、運動(身体を動かす遊びを含む)やスポーツの1日の合計時間(体育の授業以外)を尋ねています。

週当たりの総運動時間が60分未満の者の割合は、小学5年生の男子で9%、女子で15%、中学2年生の男子で8%、女子で18%でした、一方で、週当たりの総運動時間が420分以上の者の割合は、小学5年生の男子で50%、女子で29%、中学2年生の男子で78%、女子で59%でした。

また、学習以外でテレビやゲームの画面を見る時間が1日2時間以上の者の割合は、小学5年生の男子で62%、女子で54%、中学2年生の男子で73%、女子で70%でした。

〔取り組むべきことは何か〕
身体を動かす時間が少ないこどもについては、学校や家庭、放課後に自宅近隣など様々な場面において、1週間を通じて、1日平均60分以上を目安にして、何らかの身体活動を行うことが健康につながります。何もしないよりは、少しでも身体活動を行うようにしましょう。

急に高強度・高頻度の身体活動を行うのではなく、少しの身体活動から始めて、徐々に強度や頻度、実施時間を増やすようにしましょう。

身体を動かす時間の長短にかかわらず、余暇のスクリーンタイムを短くしすぎないようにしましょう。

こどもが楽しく、年齢(発育の段階)と能力に適した多様な身体活動ができるよう、保護者や指導者は公平な機会を提供するようにしましょう。

〔よくある疑問と回答〕
Q こどもが身体活動を行う際に注意することはありますか?

A 激しすぎる運動やオーバーユース(使いすぎ)は、身体の故障につながる可能性があります。例えば、「学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドライン」においては、週当たり2日以上の休養日を設けること、1日の活動時間は長くとも平日では2時間程度、休日は3時間程度とすることとされています。

Q よく動き回っており、座っている時間はそこまで多くありません。それでも座る時間を少なくしたほうがいいですか?

A いくら活動的に過ごしていても、余暇で行われる座る時間が長いことは、健康によくないことが報告されています。しかし、座位行動のすべてが有害であるわけではありません。学校外での読書や宿題を行うなどの座位行動は、高い学力と関連しているという報告もあり、座位行動の内容によって結果が異なることが示されています。したがって、余暇のスクリーンタイムが長くならないように心がけましょう。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕