「WEB1.0」がインターネットによる一方通行の時代、「WEB2.0」がインターネットにメールも加えて双方向通信となった時代を指すとしたら、それぞれの情報を得た人が発信者となって独自のネットワークを構築することができるようになった時代は「WEB3.0」と表現されています。
SNSの発展によって、手のひら(スマートフォン)で便利に個人間・グループ間で情報交換ができるようになっただけでなく、誰もがメディアのポジションで情報発信ができるようになりました。
情報メディアは媒体と訳されることが多く、媒体には責任が生じます。発信する情報は正確であり、公正であって、その伝え方を誤ると、せっかくの情報が暴力的なものに姿を変えることにもなりかねません。
それを理解して、便利なツールを用いて情報発信をしてくれればよいのですが、自分がやっていることの重要性を気づかず、また重要性と責任を考えることもなく、発信し続けている人が増える一方であることも事実です。
本人は正しい情報である、その中から的確なものを選択して発信していると信じていたとしても、これを見抜く能力は、それぞれの人のリテラシーの高さによって異なります。読み解き、理解して、伝える能力は重要で、私が健康ペンクラブを設立したときに掲げたモットーの「正しい情報を正しく伝える」は、まさにリテラシーの重要性を指し示していました。
それから時代を経て、誰もが情報発信者になれる、すでになっている時代においては、もっと意識してリテラシーを高めないといけないはずです。そのことを伝える機会をいただいて、リテラシーについて話をしたときに、そもそもリテラシーとは何かが理解されなかった経験があります。
今の時代は講習中に手のひらで用語検索をするのは簡単なことで、それぞれが“ググりながら”理解しつつ話を聞くことは普通になっています。しかし、その情報が、見ているサイトや情報源によって差があり、中には間違ったことや勘違いしがちな表現も含まれています。
用語解説を文章にして、勘違いしないように示すというアナログなことが、今の時代には必要になりつつあるのです。
〔小林正人〕