そこが知りたい20 血管のダメージをイメージ

人間の血管は毛細血管までを含めると約10万kmと、地球2週半に相当する長さがあります。

血管は部位によって太さが異なっていて、イメージしやすく表現すると大動脈は500円硬貨の直径、通常の動脈は0.5mmとシャープペンシルの芯の太さ、毛細血管は5〜10μm(マイクロメートル)で蜘蛛の糸の太さです。

毛細血管という名前から、髪の毛の太さを想像するかもしれませんが、髪の毛の太さは80μm(0.08mm)と毛細血管は随分と細いものです。

血管を通過する赤血球の直径は7〜8μmなので、毛細血管でも細い部分は赤血球のほうが大きくなっていきます。赤血球は弾力性があり、毛細血管も弾力性があるので、赤血球はつぶれるようにして通過していきます。

加齢によって血管が硬くなってくると、赤血球が通過しにくくなります。また、血糖値が高くなると赤血球にブドウ糖が付着して、複数の赤血球がくっつくようになります。こうなると毛細血管を通過できなくなり、血流が全体に低下することになります。

血流の速度は秒速1mで、心臓から送り出された血液は30秒で戻ってくる速度となっていきます。それだけ勢いよく通過していくだけに、血圧が高くなると動脈にかかる圧力が強くなります。

血圧の圧力については前回(そこが知りたい19)紹介しましたが、正常値とされる収縮時血圧の120mmHgでも163.2cmと身長ほどの高さまで吹き上げる勢いとなります。

高血圧とされる135mmHgでは183.6cmとなる計算なので、血圧は低めに抑えることが重要だということがわかります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕