部屋の大きさが限られているのに、品物を詰め込み過ぎると室内を自由に動けなくなり、快適な生活ができなくなることから、余分なものを減らそうとするかと思います。新たなものを購入して、それを室内に入れようとしたら、入れるためのスペースを確保する必要があります。
例えば、流行に合った新たな洋服を購入するのだったら、購入したのと同じ数、同じスペースを占領するものは捨てていく(誰から引き取ってもらう)ことをすべきです。それができないで詰め込む一方では、ゴミ屋敷の住人を笑うことはできなくなります。
それと同じような感覚で、脳に次々と情報が送られてくると、その整理と蓄積、記憶の出し入れがスムーズにいかなくなります。脳は情報を詰め込めばよいというものではなく、キャパシティ(容量)を越えると情報の出し入れがうまくいかなくなります。
このへんのところはコンピュータの記憶容量(ストレージ)とは違って、これ以上は入りませんという状態にはならず、徐々に出し入れがスムーズにいかなくなり、そのうち多くの記憶をしようとは思わなくなるというのが人間の特性と言えるかもしれません。
必要のない情報、いつも見聞きしている情報であれば、それほど脳の負荷は高まらないことはあったとしても、新たな情報、それも刺激的な情報であると、本人は脳に入れるつもりも蓄積させておくつもりもなくても、どんどんと脳の負荷を増やしていきます。
コンピュータのように、全容量が表示されて、容量が少なくなってくるとアラームサインが出るようならよいのですが、負荷のかかり方にも負荷への対応力にも大きな個人差があります。
しかも敏感に反応する人ばかりではなく、いわゆる鈍感な人もいて、負荷がかかっていることに気づかないまま、どんどんと無駄な情報を入れ込み、あるときを境に急に働きが大きく低下することにもなります。
だからこそ、必要な情報以外は入れない、新たな情報が入ってくるなら、洋服を減らしてから購入するのと同じように、頭を切り替えて、忘れる努力や工夫をすることが大切になってくるのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕