余分なものを整理しないと新たなものが入らないというのは、限られた室内空間と、その中に詰め込まれた家具や衣服、日用品などに限った話ではなくて、脳の機能も同じような考え方をすることができます。
脳の容量は人によって違いがあり、脳細胞の機能によっても違いがあるものの、ギリギリの容量の中で、もう入る隙間が2〜3%しかないという状態では、すでに満杯になっているのと同じようなことです。
できるだけ余裕を持たせることで、現在の機能を最大限に活かすことができます。新しい洋服を買ってきてから、入るスペースがないということに気づいて、それから整理するものを決めるということとは根本的に違っているのです。
脳は、気になることがあると、その記憶や処理に機能が取られてしまい、肝心なことを記憶しようとしても、記憶されたことを整理して新たなことを組み立てようとしても、なかなか進まないということにもなります。
これは使いもしないパソコンのソフトやスマートフォンのアプリのために容量が取られてしまい、重要なソフトやアプリをフルに使うことができないのと同じように考えることができます。効率的に使うためには、溜め込むのではなく、余裕を持って機能させるための整理が必要になるというのと同じです。
生活にも仕事にも必要がない、関係がない“心配事”のために、せっかくの“脳力”がフルに発揮されないのは勿体無いことなので、それをなかったことにして忘れることが重要です。記憶は脳のワーキングスペースの海馬と、ストックスペースの大脳との間で出し入れをすることで機能が深くなり、継続的な知識となっていきます。
この出し入れが少なくなってくると、大切な情報ではないということで、だんだんと記憶が薄れていくようになります。これによって、余計な容量が使われることがないようにして、余裕ができたところで、新たな情報が効率的に入ってくるようになっていくということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕