テーマとする「4thプレイス」は第3の居場所の先の第4の居場所を示していますが、それを理解して前進させるために、まずは「第3の居場所」について記していきます。これは見てもらう人の理解だけでなく、自分たちの共通認識としての理解を進めることも目的としています。
第3の居場所(サードプレイス:third place)は、第1の居場所の家庭でも、第2の居場所の学校や職場でもない居心地のよい第3の居場所を指しています。アメリカの社会学者レイ・オルデンバーグ(社会学博士・西フロリダ大学社会学部名誉教授)が提唱したもので、ストレス社会において、ゆったりとリラックスできる場所を持つことで、人生に多くのメリットをもたらすとしています。
日本では第3の居場所というと、居場所がない人の救いの場というイメージもあって、家庭にも学校にも馴染めない子どものための居場所を指すことが多くなっています。
公益法人などの助成金でも、対象者は子ども、成人、高齢者、障害者などの違いがあっても、第3の居場所を設ける活動に支給されることが増えていることから、さまざまな形の第3の居場所を見かけるようになってきました。
第3の居場所づくりを地方公共団体(市区町村)が実施する場合には国の機関や都道府県から補助金が支給される例も増えてきました。
助成金は申請によって先払いされるもので、補助金は後払い制度が多くなっています。1年間などの期間に自前資金で実施して、後で支払われるもので、実施内容によっては減額されることもあります。
ある程度の資金がないと補助金を受けての活動はできないことになりますが、そんなリスクを背負っても第3の居場所づくりに取り組む団体などが多いのは、社会的な求めが強く、まだまだ施設もサービスも期待に応える状態になっていないことがあげられます。
アメリカでサードプレイスが必要になったのは、家庭と職場を往復するだけの状態になっていることが多く、現代社会を生き抜くためには息抜きの場所が必要だという考えがあったからです。
それは教会であったり、地域コミュニティなどが確立されていて、第3の居場所が根付いていたことがあり、それをもっと気軽に体感できるプレイスが受け入れられやすい環境があったからです。
日本では、まだ第3の居場所づくりが急がれていて、その先にある第4の居場所がない、第4の居場所を発想する機会が育っていないということがあります。
第3の居場所をイメージとしてではなく、正しく理解することが、新たな段階(ステージ)を展開していくために重要なことだと考えています。
〔セカンドステージ連盟 小林正人〕