子どものときに好き嫌いがあっても、成長していくうちに食べることができるようになる、という考えがあります。ある程度は当たっているのですが、子どもが嫌がっているときに食べさせるべきなのか、それとも食べられない時期には子どもに嫌われることがないように避けてもよいのかという選択肢に分かれます。
“嫌われることがないように”というのは、その食べ物が嫌いになるということではなくて、食べさせようとしたことで親が子どもに嫌われることを指しています。子どもに嫌われたくない、出したものを食べてほしいという思いから、嫌いなものを出さないということもよく見られることです。
しかし、成長期の子ども、中でも短期間のうちに急激に成長して、特に脳の成長が急激に進んでいく段階の子どもには、大人と変わらない栄養バランスと発達に必要なエネルギー源、それをエネルギー化させるためのビタミンとミネラルは不足させることはできません。
ところが、脳の発育と感情の発達段階にある子どもは、食べ物への慣れが充分ではないことから、好き嫌いや、食べようとしても食べられない偏食が起こりやすくなっています。偏食の中でも極端な反応がみられるのは、発達障害児の感覚過敏によるもので、一般の栄養学ですすめるバランスのよい栄養摂取が困難な場合も多くみられます。
そのため、発達障害による極端な偏食と、その対応法について知ることは大切であり、最も困難とされる発達障害の偏食に対応できる栄養摂取の手法は、すべての成長段階にある子どもにも応用できることとなります。
子どものための栄養摂取は子どものときだけのものではなく、一生涯にわたる食事と健康の基盤を作るものです。学んだあとの長い期間に、どれだけ正しい情報を得て、正しく活用できるかが重要です。そのための基本中の基本を、発達栄養を通じて学んでもらうことを願い、情報を提供し続けています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕