厚生労働省から、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」が発表されました。
以下に、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」の「運動、食事等の生活習慣と睡眠について」の「就寝前にリラックス」を紹介します。
〔就寝前にリラックス〕
スムーズに入眠するためにはリラックスし、脳の興奮を鎮めることが大切です。そのためには、寝床に就く前に少なくとも1時間は家事や仕事、勉強に追われず、リラックスする時間を確保することが有効です。
また、睡眠時間や就床時刻の過剰にこだわり、眠気が訪れていないにもかかわらず無理に眠ろうとすると、脳の興奮がむしろ高まり、寝つきを悪化させることがあります。
眠気が訪れていないにもかかわらず無理に眠ろうとすると、寝つけないことを必要以上に悩んだり、日中の悩み事を寝床に持ち込み、余計に寝つけなくなります。
なかなか寝つけないときは、一旦寝床を離れ、寝床以外の静かで暗めの安心感が得られる場所で、眠気が訪れるまで安静状態で過ごし、眠気が訪れてから寝床の戻りましょう。
入眠促進を目的とし、就寝前にリラックスを得るための方法として、様々なリラクゼーション法が提案されています。不眠症で悩んでいる人をターゲットにした専門的な方法(自律訓練法やイメージトレーニング法)だけでなく、一般的な瞑想法、静かに行うヨガ、腹式呼吸、筋弛緩法、音楽やアロマなども入眠を促し、眠りの質を高める可能性が示されています。
注意すべきは、全ての人に効果が保証されたリラクゼーション法はないということです。ある人に極めて有効な方法でも、他の人にはむしろ興奮を促し、眠りを妨げる可能性もあります。そのため、一人ひとりに最適なリラクゼーション法を見つけることが重要です。
入浴の睡眠への効果については、「良質な睡眠のための環境づくりについて」で解説されていますが、就寝前に少しぬるめの湯船にゆっくりつかると、身体全体が温まり血行が良くなるとともに、寝つきも良く、睡眠も深く、主観的な睡眠の質も良くなります。
これは、入浴により手足の末梢血管からの放熱が促進され、深部温度が低下し、入眠が促進される効果に加えて、自律神経制御系において副交感神経が優位となり、心身の緊張を緩和するリラクゼーション効果によるものと考えられています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕