岡山に移住して7年半ほどが過ぎました。そのうち2年半は移住の目的であった仕事に励んでいたものの、結果的に消滅しました。その後の半年間は縁も所縁(ゆかり)もない地域で新たな仕事を作るために動くしかなく、やっと東京での経験を活かせる機会を得ました。
そのときのことを振り返って、「信じるものは足元をすくわれる」と冗談が言えるまでに精神的にも回復することができて、徹底的に企画を作って準備を進め、あとは実施するだけという段階を迎えました。
その瞬間に、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が始まり、それから3年間は何もできないまま過ごすこととなりました。仕事先は代表的な社会福祉法人で、人との触れ合いが必要なことであっただけに、少しの接触もできない状況となって、自分としては“足元がすっぽりと抜けてしまった”という感覚でした。
何もできないといっても、次なる機会のために準備をすることはできました。せっかく閉じこもって過去を整理して積み重ねていく機会が得られたことから、健康に関する講習テキストを作成しては、テストランとして身近なところで講習をしてみて、まるで修行のように日々の遂行を重ねてきました。
コロナ明けから1年ほどが過ぎた今、岡山で活動できた期間を考えると、まるで1年ほど前に移住したようなものですが、その間に時は過ぎ、古希まで半年と少しになりました。
日本人の医療費の研究をしてきて、70歳のときの健康状態が健康寿命にも生涯に使う医療費にも大きな影響を与えることがわかりました。日本人の生涯医療費は70歳までと、70歳を過ぎてからの金額がほぼ同じとなっています。
その前の8年間の生活が、健康度に特に影響を与えることが研究によってわかっていただけに、その期間を“足踏み状態”で過ごすことになって、心身ともに苦しい時期を身をもって体験することになりました。
その足踏み状態の中でも、今までにないような早起きをして、新たな集まりに顔を出して、再スタートをするまで修行のように過ごしてきました。その集まりで、さまざまな出会いをしてきた中で、「年齢を重ねてきても花開いたと感じることがないのは、理解して活かしてくれる人と出会えていないだけ」と話してくれた方がいました。
その言葉というかアドバイスを信じて、出会いが実際にあるまで歩みを止めないことにして、考えて書き、準備を積み重ねていくこととして、今日まで進めてきました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕