厚生労働省は「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」を公表しました。その中の「科学的根拠」を紹介します。
〔科学的根拠〕
「筋トレを推奨する根拠」
国際的な身体活動ガイドラインの策定のために実施されたレビュー(主に介入研究)において、筋トレにより、筋力、身体機能、骨密度が改善し、高齢者では転倒や骨折のリスクが低減することが示されています。
また、18〜98歳を対象とした筋トレの実施と疾病及び死亡リスクに関するコホート研究の系統的レビューやメタ解析においても、筋トレを実施している群は、実施していない群と比較して、総死亡及び血管疾患、全がん、糖尿病、肺がんの発症リスクが、有酸素性の身体活動量に関わらず、10〜17%低いことが示されています。
さらに、筋トレの実施時間の影響について検討した調査では、全く実施していない群と比較すると、わずかな時間であっても実施していた群は、総死亡及び心血管疾患、全がん、糖尿病の発症リスクは低い値を示すことが報告されています。
このように、筋トレを実施することは、運動器障害だけでなく、生活習慣病の発症や死亡リスクの低減につながる可能性があります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕