第1の居場所が家庭、第2の居場所が学校、第3の居場所が家庭でも学校でもない心が安らげる場所というのが、その当時から今まで続く一般的な考えです。第3の居場所は学生でいえば部活やサークル、社会人なら会社以外の趣味の集まりということになります。
ここまでは一般にも理解しやすいことです。第3の居場所は自分が中核になったり、リードする立場でなくても、そこにいるだけでもよいという気楽な立場での参加も可能です。参加することもグループなりから抜けることも自由という立場です。
第3の居場所をコンセプトにした少し高級感を出したカフェもあり、カフェであっても客が交流できる店もあります。
“カフェ”というのは便利な言葉であって、飲食ができる店舗ということから発展して、交流を目的とした場所を指すこともあり、カフェのように気軽に参加できる場所という意味でも使われています。
実際に飲み物を出すかどうかは関係がなくて、科学を気軽に学ぶ機会であるサイエンスカフェは、研究者と一般市民が小規模な場所でコーヒーを飲みながら科学について語り合うというイベントですが、実際には飲み物が提供されるのは少数派です。
サイエンスカフェは1997年から1998年にかけてイギリスとフランスで同時発生的に行われたのが起源として伝えられていて、本当にカフェで開催されました。日本では若者の科学離れの対策として、日本学術会議が主導して、大学内で実施されたことから、初めから飲み物の提供は想定されていませんでした。
カフェは集う場としては敷居が低い(ハードルが低い、垣根がない)存在です。現状の第3の居場所は地域や企業・団体の活動であることも多く、敷居が低いとは言いにくいところがあります。
本当にカフェのような感覚で集うことができる場所を、参加者の意向によって新たに作り出すのは、第3の居場所の先にあるということで第4の居場所と呼ばれることが多くなっています。
そして、第4の居場所が参加者のためだけでなく、多くの人たち(地域や職場など)の役に立つものとして存在できるように、周囲の人たちのことも心に留め置きながら進めていくことができる存在を目指すことも始まっています。これが第5の居場所となるという感覚です。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕