快腸デザイン5 腸内細菌の役割

腸の不調の大きな原因は腸内細菌のバランスの乱れです。腸内細菌は善玉菌、悪玉菌、日和見菌に大きく分けられていて、理想的なバランスは「善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7」の割合とされています。

悪玉菌は、その名前の印象からして少ないほうがよい、いなくてもよいと考えられることもあるのですが、悪玉菌は肉類などの動物性たんぱく質を分解して排泄処理をするという重要な役割をしています。

善玉菌と悪玉菌は、どこが違っているのかということですが、細菌としてやっているのは同じことです。栄養源を内部に取り入れて、細胞内で代謝をさせて、代謝物(不要なもの)を細胞外に出しているだけです。

細菌は単細胞(一つの細胞だけで存在)なので、人間の身体を構成する一つひとつの細胞と同じようなものだと考えることができます。やっていることは同じであっても、代謝物が違っていて、人間にとってよい結果をもたらすものを善玉菌、よくない結果をもたらすものを悪玉菌と呼んでいます。

何が違っているのかというと、善玉菌は酸性の代謝物を出していて、これが多くなると善玉菌が増えやすい環境となります。悪玉菌はアルカリ性の代謝物を出していて、これが多くなると腸内の酸性度が低下して、善玉菌が増えにくくなり、悪玉菌が増えやすい環境となります。

善玉菌が多くなると、ますます善玉菌が増えやすくなり、悪玉菌が増えると善玉菌が減って腸内環境が悪化していくということになります。その悪化の兆候として初めに現れるのは便の状態と便通の変化です。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕