inpane7 参加するか自分で構築するのか

前回のinpane6は、家元制度が独自のネットワークをビジネス化するモデルとなるということを書いて、その内容は別の機会に伝えるということで終わりました。

家元制度は、技能文化の一流一派の主催者である家元が、免許状の発行権を独占して、文化社会を構成するものを指しています。家元から技能に応じて段階的に高度化する免許が弟子に与えられて、弟子は免許によって弟子をとって教える権限が分与されます。

ビラミッド組織と指摘されることを嫌う家元(宗家)もいるものの、いかに高弟であっても、免許状は家元以外からは発行されない仕組みです。

家元よりも優れた技能があったとしても、家元に変わることができない、ピラミッドのトップには成り代わることができないのは、ピラミッド組織そのものです。これが受け入れないという高弟がいたら、独立して家元制度を新たに作り上げるほかないということです。

家元制度というと茶道、華道などが有名ですが、家元という言葉が初めて登場したのは正徳3年(1713年)のことで、法隆寺、東大寺、薬師寺などへ成人後僧となる少年を入寺させる権利を所持する家を指していました。

今の時代は技能の上下だけでなく、新たな情報、新たな発想でも優位に立つことができるようになり、他にはないこと、他では学ぶことができないことを身につけることができるようになっています。

既存の家元制度(ピラミッド組織)に参加することよりも、自らが主体となって“シン・家元制度”を創出することができるようになっています。家元制度に参加しなければ、高弟であっても弟子を集められなかった時代から、今は一転して情報発信を自由にできるようになり、これを活用することで独立も難しくなくなりました。

他人を稼がせるのではなく、自分が稼ぐようになるという発想ができやすくなりましたが、これは家元制度だけでなく、アメリカのDSA(Direct Selling Association:訪問販売協会)の仕組みからも学んできました。これを伝えるチャンスが訪れています。

アメリカの制度であって、納得がいかないまま続けている人も多いのが事実ですが、日本特有の家元制度と組み合わせた仕組みを自分で構築していこうという人も増えてきています。
〔小林正人〕