健康思想11 超高齢社会の生きがいづくり

日本は世界一の長寿国(男性81.47歳、女性87.57歳)で、さらに平均寿命は延び続けています。2040年には男性が83.27歳、女性が89.63歳、2060年には男性が84.19歳、女性が90.93歳になると推測されています。

現在の国民の平均年齢は49.1歳と、これも世界一の水準にあります。日本の女性は半分が50歳以上という状況です。

超高齢社会(高齢化率21%以上)になった2007年から17年が経ち、高齢化率は2024年には30.0%、2040年には36.3%にも達すると予測されています。

超高齢社会は、現役世代(15〜64歳)が大きく減る時代でもあり、中でも働き盛りと呼ばれる壮年期の40歳以降の人口が不足していく現状があります。さらに労働人口の減少が予測される中で、高齢者の就業機会の確保や働く場の整備が進められています。

これを受ける形で、高年齢者雇用安定法の一部が2021年4月に改正されました。高齢者の就労は、これまで個人の問題とされてきたところがありましたが、今や国や企業・団体が見直しを迫られる時代となってきているのです。

高年齢者雇用安定法の一部改正から4年を経て、企業・団体で働く人の定年退職年齢は2025年4月から65歳までとなり、それまでの継続雇用が義務化されます。また、定年を超えても働きたいと希望する従業員全員を70歳まで雇用する必要が生じます。

これは高年齢者雇用安定法に基づく高齢者就業確保措置で、65歳まで雇用確保(義務)に加えて、65歳から70歳までの就業機会を確保するため、以下のいずれかの措置を講じる努力義務が新たに設けられています。

 ①70歳までの定年引き上げ
 ②定年制の廃止
 ③70歳までの継続雇用制度の導入
 ④70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入
 ⑤70歳まで継続的に以下の事業に従事できる制度の導入
  ・事業主が自ら実施する社会貢献事業
  ・事業主が委託、出資(資金提供)等する団体が行う社会貢献事業

④と⑤は、創業支援等措置(雇用によらない措置)で、従来までの職員ではなく業務委託契約(フリーランス)として働く形態と、社会貢献事業での活動となります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕