健康思想14 生きがいの創出

年齢を重ねても働くことができる制度の導入は、ベテラン世代の心身の衰えだけでなく、さまざまなロスとの戦い(体力、お金、地位、家族、友人など)もあり、モチベーションの維持が働き続けるための重要なポイントとなります。

モチベーションを保つには、生きがいが重要となります。生きがいは、「生きる価値」「生きることの喜び・張り合い」を意味していますが、長寿地域を意味する「ブルーゾーン」の概念を広めたアメリカの研究者のダン・ビュイトナーが、沖縄の長寿の理由の一つとして「ikigai(生きがい)」に言及してから欧米で広く知られるようになりました。

日本語の生きがいを的確に表現する英語がないことから、「ikigai」が使われています。これは今や「Mottainai」(もったいない)、「Arigatai」(ありがたい)と並ぶ、日本人の特性・気質を表す用語として確立されています。

それをきっかけに、「ikigai」は「仕事と人生の質を向上させるための日本特有の概念」として世界規模で認識されるようになり、概念図も広まりました。

日本では「社会が求めていること(必要とされる)」「得意なこと」「好きなこと」「お金になること(稼げる)」の4つの構成要素で表され、重なり合った部分に相乗効果が生まれ、これが「ikigai」とされています。

「好きなこと」であり、これが「得意なこと」であると、情熱(Passion)をもって進めることができます。これだけでは趣味の世界で終わりかねないことかもしれませんが、「好きなこと」が「社会が求めていること」でもあると使命(Mission)として継続することができます。

「得意なこと」が「お金になること」であると、これは専門(Profession)となって事業になります。しかし、これだけでは継続性は不安定であり、「好きなこと」「社会が求めていること」と重なることで継続性が高まります。

そして、「社会が求めること」と「お金になること」が重なると、これは天職(Vocation)となります。天職である上に、「好きなこと」「得意なこと」が重なると、これが「ikigai」となって強いモチベーションを構築するとなります。

これまでの経験と知識、人脈などをもって新たな世界(セカンドステージ)に踏み出すためのキーワードが「生きがい」であり、4つの構成要素のバランスをとりながら自らの生きがい(ikigai)を常に考え、見直し、推し進めていくことが重要であることを広く伝えています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕