厚生労働省は「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」を公表しました。その中の「現状」「取り組むべきことは何か」を紹介します。
〔現状〕
国内において、筋トレを実施している人の割合は9〜29%であり、年齢別にみると18〜19歳で29%と最も多く、年齢が上がるとその割合は減少します。
2016年の社会生活基本調査によると、「器具を使ったトレーニング」を実施している人の割合は15%で、「ウォーキング・軽い体操」の次に多いという結果でした。
筋トレなどを含めた筋力の向上につながるようなすべての身体活動を対象とした場合、週2日以上実施している人の割合は14〜74%であり、高齢者においてその割合は低い傾向にあります。
〔取り組むべきことは何か〕
筋トレの実施割合は、高齢者や女性で低い傾向にあります。このような人々はロコモティブシンドロームやフレイル、骨粗鬆症を特に発症しやすいことが知られています。そのため、筋力及び身体機能、骨密度の維持改善が期待できる筋トレを、積極的に推奨していく必要があります。
筋トレを継続的に実施してもらうためには、まずは筋トレの健康増進効果や実施方法の基本を知ってもらうことから始めるのもよいでしょう。筋力アップは効果を実感しやすいので、うまくフィードバックをして実施者の自信につなげていきましょう。
筋トレを行う際は、個人の特性や能力に合わせて実施する“個別性の原則”が重要です。運動教室などの集団で実施する際は、目的を明確にし、一律の目標回数(ノルマ)を設けるのではなく、個人に合った目標を設定することを勧めましょう。
筋トレは、運動器の機能の維持・増強だけではなく、疾病や死亡を予防する観点からも実施が推奨されていることを、自治体や運動指導者は積極的に周知することが重要です。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕