快腸デザイン6 悪玉菌が免疫を低下させる

腸内細菌の悪玉菌が増えると、腸内の腐敗が進むようになり、便の量が減り、色が黒くなり、臭いも強くなるということが起こります。逆に善玉菌が増えると、便の量が増え、色が黄色くなり、臭いも弱くなります。ということは、トイレで自分の腸内環境を推測することができるわけです。

悪玉菌が増えると便の状態と便通だけでなく、さまざまな悪影響が起こるようになります。悪玉菌は腸内の腐敗を進めるということで、毒素(有害物質)を作り出します。毒素が多い状態になっても、毎日スムーズに排出されていれば腸内に多く残るようなことはなくなります。

ところが、悪玉菌が多い状態は便通が悪くなり、便が大腸内に長く残るようになります。毒素は大腸壁(大腸の粘膜)を刺激して、その刺激が強く、長くなると炎症を起こすようになり、これが腸炎、腫瘍、がんにもつながっていきます。

大腸壁は水分を吸い上げて、便を適度な量にする役割があります。大腸に到達するまでは水分量が多いわけですが、この水分の吸い上げるという機能があるから何日も便秘が続いても便の量を少なくして溜め込むことができるようになるわけです。

その分だけ水分量が少なくなって硬くなり、ますます出にくくなるという悪循環を起こすことにもなります。

大腸内で発生する毒素は小さなサイズで、水分が吸い上げられるときに一緒に大腸壁を通過して、血液中に入り込みます。血液中の毒素は肝臓に運ばれて解毒されるのですが、毒素の量が多いと肝臓では処理しきれなくなり、再び血液中に入って全身を巡っていくようになります。

便秘をすると肌が荒れるというような場合が、毒素が皮膚まで送られている状態です。それは毒素が多すぎるのか肝臓の処理能力が低下しているのか、どちらかが原因と考えられます。

毒素は身体にとって排除すべきものであるので、免疫細胞が攻撃して分解しようとします。免疫細胞が余計なところに使われると、肝心な病原菌などの処理が間に合わなくなって、結果として免疫が低下することにもなります。

便通をよくすることは、全身の健康維持のためにも重要なことだということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕