第3の居場所から発想を進めて、第4の居場所を考えるときには、社会的な背景が重要となります。それは経済的や環境的な背景はもちろん大切なことですが、それを支える人材が物理的に確保されていることが重要となります。
その人材が、日本には数多く存在しています。日本人の平均寿命は今でこそ世界一ですが、1947年(昭和22年)に発表された戦後初の平均寿命は男性が50.06歳、女性が53.96歳で、男性は初めて50歳代となりました。
現在の平均寿命(2023年)では、男性が81.05歳、女性が87.09歳と30年以上も長くなりました。平均初産年齢(2021年)は30.9歳であるので、一世代分の年齢が延びたことになります。
この延びた平均寿命の30年を何に使うかが重要になります。現在の定年退職年齢は60歳なので、定年退職後では男性は20年ほど、女性は27年ほどとなります。定年退職年齢は2025年4月から65歳が義務化されます。
これで計算すると男性で16年ほど、女性で22年ほどとなりますが、社会貢献としての活動は企業や団体に勤務しているときから始めることはできます。その貢献活動が本人の健康にも関わることであれば、一世代分の30年を有効に使うことができます。
ちなみに、労働年齢のうち高年齢者は55歳以上とされているので、平均寿命から55歳を引くと男性で26年、女性で32年にもなります。あくまで平均で、健康的な活動をしていれば、やはり一世代分の30年を有効に使うことができるようになります。
高年齢者・高齢者が社会貢献をするのは第3の居場所と考えられ、所属して活動するだけでなく、自らが新たな活動の場を創造して活躍することができるだけの平均寿命の長さです。第4の居場所を作り、そこで活動するときに、一世代分の30年をいかに活かしていくか、そのことに心を傾けてほしいとの願いがあります。
〔セカンドステージ連盟 小林正人〕