日々修行32 常に3つの活動を並行その1

ただ一つの仕事だけでは不安だというので、仕事の多角化、関連業種を始めるというのは普通に行われることです。本業と関連する事業の場合もあれば、大きなところのコンセプトが一致しているということもあります。

高齢者向けのクリニックの多角化をした後に、介護施設、運動施設、食品販売店を設立した事業家から、その後の展開について相談を受けたことがあります。関連する会社としては他にも考えられることはあるものの、新展開のコンセプトが同じ対象者ということであったので、健康食品や健康器具の販売を提案しました。

しかし、これは賢い方法ではなくて、対象者が同じということは、何か一つでも問題が起こって、対象者の気持ちが離れるようなことがあったら全滅しかねないことにもなります。

高齢者は、これからも増え続けるので、よいターゲットと考えがちですが、これからは後期高齢者が増えていくので、家や施設から外に出て、高齢者サービスを受けることができる“元気な高齢者”は大きくは増えません。

ここをターゲットとして進出してくる他の事業者が増えるので、ライバルだらけの中で活動しなければならない“レッドオーシャン”になりかねません。そんな「血で血を洗うような世界」ではなくて、まったくライバルがいない“ブルーオーシャン”を目指すのが正しいことです。

とはいっても、いきなり画期的な“ブルーオーシャン”を作り出すのは大変なことであり、“ブルーオーシャン”であると確信を持って始めたことが、実は“レッドオーシャン”の入り口だったということは当たり前にあることです。

そこで、現状の仕事を大切にしながらも、新たなことに挑戦する活動を続ける、それの1つや2つではなく、3つ目を常に考えておくということが大切になります。そのような意識で活動している人には、チャンスが向こうからやってくるということも数多く見聞きしたし、経験もしてきました。

そのときに重要になるのは、自分だけ、自分の会社や仲間だけの知識と経験で判断するのではなく、新たな知見を入れていくことです。根底から崩れることを常に考えて備えておかなければならない時代には、どんなに忙しくてもやっておくべきことがあります。
そのような考えを常にしておいたから、コロナ禍を乗り切れた会社があり、その中の何社かは東京にいたときにコンサルタントを実施した先でした。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕