「昭和100年」5 スマホが使えなくなった時代を想像できるか

2000年問題のときには、2000年が1900年と誤った認識をされることになるのを心配して、今まで膨大な金と時間をかけて構築してきたデジタル社会への対処が必要になりました。

一つは、見直しをすることで、基本的なデータまで探ってシステム障害が起こらないようにすること、システム障害が起こっても対応できるような状態にしていくことでした。もう一つの方法は、古いシステムで使われたものを廃棄することでした。

これは噂話レベルの認識とされることではあるのですが、NATOが巡航ミサイルでユーゴスラビアを空爆して、古いシステムのミサイルを使い果たして終わりにしたというような状況を指しています。

今回のお題のスマホ(スマートフォン)が日本で登場したのは2000年問題が終了してからのことで、2008年にiPhoneの販売が始まり、2009年にAndroidが登場しました。海外では1994年からスマホは始まっていましたが、日本の携帯電話はガラパゴス携帯(ガラケー)と呼ばれるほど多機能化が進んでいたことから、スマホの普及は2000年問題がクリアされた後になりました。

スマホでシステム障害が起こることはほとんど考えられていなくて、不具合が起こるとしたら通信会社のシステム障害だけだと言われ、実際に通信会社による障害のためにスマホが使えなくなるということが起こっています。

通信会社のシステム障害は、データ更新時のミス(と報告されること)が多くて、各社によって原因が異なっていることから、安心できる会社と契約すれば大丈夫という考えが一般にはされています。複数のスマホを持つ場合には、別の通信会社と契約するという人も少なくありません。

しかし、2000年問題とは根本的に異なる「昭和100年問題」では、複数の通信会社でシステム障害が起こって通じなくなること、通じたとしてもスマホを通じたサービス(決済機能など)が使えなくなるといったことが起こることが懸念されています。

このような、まるでスマホがなかった時代に戻ることは誰しも想像ができないことだけに、昭和100年まで、あとわずかという今、必死になって対応とバックアップに取り組まれていることは、多くの人に気づかれていないことです。

なにしろ、昭和100年問題すらあまり報道されていないのですから。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕