運動ガイド23 働く人が職場で活動的に過ごすためのポイント3

厚生労働省は「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」を公表しました。その中の「働く人が職場で活動的に過ごすためのポイント」の「事例集」を紹介します。

〔事例集〕
上記(運動ガイド22)の理論的な背景を踏まえ、具体的な職場での取組事例を紹介します。
(事例の数字は前回の施策の番号と対応)

事例1 工場での身体活動促進によるHDLコレステロールの改善(13、14)
日本の10の工場に勤める2929人の労働者を対象とした研究報告において、5つの工場には、身体活動に関する情報提供、キャンペーンの実施、ウォーキングツールの提供を実施する介入を行い、対照群となった5つの工場には、個人への教育教材の提供のみを実施した結果、4年間でHDLコレステロールが介入群では2.7mg/dl(+4.8%)増えた一方で、対照群では0.6mg/dl(−1.0%)減少し、介入効果が認められました。

事例2 職場でのメタボリックシンドローム予防指導による減量効果(13、14)
高血糖、高血圧、脂質異常など、メタボリックシンドロームのリスクを持つ日本人労働者101人を対象とした研究報告で、介入群には、管理栄養士や運動指導者による食事と身体活動に関するアセスメント、目標設定、月1回のアドバイス、食事と歩数のセルフモニタリングのためのウェブサイト利用を提供しました。対照群には、これらを提供しませんでした。4か月間の介入の結果、体重、BMI、血糖、インスリン、インスリン抵抗指数が介入群で有意に改善しました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕