過去に中小企業の経営者の健康サポートをテーマにして、税理士の団体の機関誌でウコンについて3回の連載原稿を書いたことがあります。
税理士の仕事先は中小企業が多く、経営者の健康は、そのまま企業の健康(経営面)につながることと、お酒を飲む機会も多いことからウコンの情報を発信すると同時に、優良とされるウコンの紹介もするという内容でした。
私がよく知っている出版社が機関誌の編集を受けていて、編集費用の一部に充てるために広告や販売の収益を上げたいという思惑もあっての企画と聞きました。
通常なら広告主、販売会社のメリットになる原稿に徹するべきしょうが、健康食品の制度や法規制、安全性などの研究も行ってきていたので、有効性のアクセルとともに、注意喚起というブレーキも踏むというスタンスで書かせてもらいました。
お酒を飲む人にはウコンがよいというのは、ウコンの色素成分のクルクミンにはアルコールを分解する肝臓の酵素の働きをよくする作用があり、悪酔いしない、肝臓の健康を守る成分として知られています。
クルクミンがアルコールの分解をよくするのは事実です。ウコンには春ウコン、秋ウコン、紫ウコンの3種類があり、クルクミンが特に多く含まれるのは秋ウコンです。
春ウコンに比べると10倍ほどのクルクミンが含まれていて、切り口の色はオレンジです。それに対して春ウコンは黄色です。
アルコール分解の効果はクルクミンの含有量に比例するところがあるので、一般に期待される効果を求めるなら秋ウコンを用いた商品ということになります。
紫ウコンにはクルクミンは含まれていないのですが、胃の状態を整える精油成分が含まれています。精油成分は春ウコンにも含まれていて、春ウコンは両方の効果が期待できることになります。
肝臓の健康維持にはウコンがよいというイメージがありますが、ウコンを摂ることで、かえって肝臓に負担をかけることがあります。ウコンは漢字では鬱金と書き、漢方薬の成分として使われています。
医薬品成分であるので、余計に摂ることによって肝臓で分解しなければならないことから、肝臓を傷める可能性があるのです。実際に医療機関から報告される健康食品による健康被害で最も多いのはウコンによるもので、その多くは肝臓のトラブルです。
そのほとんどはお酒を飲まない人が、肝機能を高めたいと思って飲んでいる例です。お酒を飲む人にとってはウコンはよいものであっても、お酒を飲まない人には害になることもあるということを知っておいてほしいのです。
〔セカンドステージ連盟 小林正人〕