快腸デザイン9 腸が冷えると腸内環境が悪化する

腸内細菌は、善玉菌を増やすと、それにつれて悪玉菌が減っていき、徐々に善玉菌が優勢な状態にしていくことができます。そのために、善玉菌の近い乳酸菌などが含まれる食品であるヨーグルトなどを食べる、善玉菌の栄養源(エサ)である食品(糖質、食物繊維)を摂るといったことがすすめられます。

それでも腸内環境が改善しない人もいますが、善玉菌を増やすために推奨されるのが腸内温度を高めることです。腸内温度は36〜37℃ほどで、一般に体温と呼ばれる皮膚温度よりも0.5〜1℃ほど高くなっています。

これは血流が盛んで、腸壁につながる毛細血管に温かな血液が次々と送られている場合のことで、運動をすると39℃ほどにもなります。この腸の温度が高めに保たれていることが、善玉菌を増やすことにつながります。

善玉菌は腸内温度が高いことによって増殖しやすくなります。乳酸菌は37〜40℃の温度帯で発酵が進みやすくなっています。それと同じように37℃以上に保つことが大切になります。

悪玉菌は腸内温度が高くても低くても増殖することができます。ということは、腸内温度が低いと悪玉菌が増えるようになり、善玉菌の増殖が抑えられるようになります。これとは逆に腸内温度が高くなると善玉菌も悪玉菌も増えるようになるのですが、腸内細菌の数はほぼ決まっているために、善玉菌が増えると悪玉菌の増殖が抑えられるようになります。

善玉菌が増えると、善玉菌の代謝物の酸性物質が増えるために、酸性環境が好環境となる善玉菌が増えやすくなります。運動をする、腹部が冷えないようにする、入浴は腸まで温められる低めの温度で長めに入るといったことによって、腸内環境を整えていくことができるということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕