「上手」はじょうず、うわてというように別の読み方があるということを以前に紹介しましたが、他にも同じようなものはあるか、ということがサイトの問い合わせにありました。あまり健康とは関係のない話になりますが、この機会に上手とは逆の意味になる「下手」について書いていきます。
上手(じょうず)に対する下手は「へた」と読みます。これは、物事に巧みでないこと、まずいこと、不器用なこと、なまじっかなこと、いいかげんなこと、という意味です。
上手(うわて)に対する下手は「したて」と読みます。これは、下の方、他より低い地位を指しますが、相撲では組んで相手の指し手の下からまわしを取ることを言います。また、犬追物では自分の馬の後に立った射手となります。
他に「げしゅ」と読んで、手を下すこと、「しもて」と読んで、下の方(下流、芝居の舞台の見物席から見て左の方、魚網の右の綱)という意味になります。
ついでなので、下がつく他の漢字も紹介します。
下座 「げざ」座を下りて平伏すること。しもての座。能舞台でワキや地謡のすわる座。歌舞伎芝居で囃子方の居る場所。積んだ法臘による僧の階級の一。「しもざ」下位の座席、末座。芝居の舞台で観客から向かって左方。
下田 「げでん」地味のやせた下等の田地。「しもだ」静岡県伊豆半島の南東端下田湾に臨む港湾・観光都市。
下品 「げひん」品の悪いこと。劣った品物。「げぼん」極楽浄土に往生する者の生前に積んだ功徳の違いに応じて9品を上・中・下に三分した最下位のもの。下品、下等。
下野 「げや」官職を辞して民間に下ること、政権を失って野党になること。「しもつけ」栃木県の旧国名。バラ科の落葉小低木。
読み間違えると、まったく意味が違ってきますが、テレビ番組に耳を澄ませて聞いていると出会うことがある言葉づかいです。